コラム 交通事故 事故発生時の注意点

現代社会では,車は,日常生活に重要な移動手段・輸送手段です。

車,バイクやバスで花見に行ったり,海に行ったり,車のおかげでいろんなところに移動することができます。また,トラックで大きな機械を運んだり,通販で買った商品などを届けてもらったり,いろんなものを輸送することができます。

しかし,日常生活に必要不可欠な車も,一つ間違えば「走る凶器」などと言われるように,とても危険なものに変わってしまいます。

警察庁によると,過去5年間の全国の交通事故の発生件数の推移は以下のとおりです。

平成28年の1年間の全国の交通事故発生件数は 499,232件 です。

年々減ってはいますが,それでも平成28年は1日平均で 1,367件 も交通事故が起きています。

福岡県警によると,過去5年間の福岡県の交通事故発生件数の推移は以下のとおりです。

福岡県全体でも,平成28年の1年間の交通事故発生件数は 37,308件です。

1日平均で102件起きています。

車,バイク,バス,トラックなどが日常生活に深く溶け込んでいるだけに,誰もが交通事故の加害者にも被害者にもなり得ます。

もしも交通事故に遭遇することになったときのために,今回は,交通事故発生時の注意点をご紹介します。

交通事故発生時の注意点

交通事故発生時の注意点は6つです。

  1. 事故状況の確認,負傷者の救護
  2. 警察への届出
  3. 相手方の確認
  4. 保険会社への連絡
  5. 証拠の収集
  6. 早期の病院受診

事故状況の確認,負傷者の救護

落ち着いて,事故状況を確認し,負傷者を救護する。

事故が発生した場合,誰もがパニックに陥りますが,落ち着いて行動するよう心掛けなければなりません。

まず,安全な場所に車を止めます。

そして,自車及び相手車の状況,負傷者の有無を確認します。これは,加害者になった場合でも被害者になった場合でも同様です。

負傷者がいて処置が必要と思われる場合には,すぐに119番通報し,救急車を呼ぶなどの対応が必要です。

当然の話ですが,事故を起こして逃げてはいけません。いうまでもなくひき逃げ,当て逃げは犯罪です。救護義務違反等に問われることになります。

警察への届出

110番通報し,警察に連絡する。

また,すぐに110番通報をして警察に連絡し,事故の時間,場所,負傷者の有無などを伝えます。

交通事故を起こした場合,警察への届出は運転者の義務です(道路交通法72条1項)。届出が必要な場合は,物損事故・人身事故にかかわりません。

警察が到着すれば,警察官に事故状況について説明をします。警察官は当事者双方から話を聞きますので,警察官に対して事故の状況がわかるように具体的に話をするように心がけてください。

たまに,「警察に通報すると面倒だ」「当事者で話し合ってその場で解決しよう」「軽い事故だから」などと安易に考えて,警察への届出をしない人がいます。しかし,警察への届出を怠ると,後に,体が痛くなってきた,修理代を巡ってトラブルになったといったような場合に,「交通事故証明書」が取得できず,事故の発生などを証明することが困難になり,治療費や修理代の支払に保険が使えないといった事態に陥ってしまう可能性がありますので注意が必要です。

事故の相手方の確認

事故の相手方の氏名,住所,連絡先を確認する。

事故後の処理を確実に行うために,相手方をきちんと氏名や住所を確認し,連絡先を交換するなど,確実に連絡が取れるようにしておきましょう。

記憶違いや記載ミスを防ぐために,免許証,保険証券,ナンバーなどについては,相手方の了解を得てスマホや携帯のカメラで撮影しておくのも一つの方法です。

確認しておくことが望ましい相手方の情報

  • 住所,氏名,連絡先(免許証などで確認)
  • 自賠責保険(共済)の会社名(自賠責保険の証券で確認),
  • 任意保険(共済)の会社名(任意保険の証券で確認),
  • 自動車の登録番号(ナンバー)
  • 社用車での事故,通勤中の事故であれば,勤務先の社名,住所,連絡先

保険会社への連絡

自分の保険会社へ電話する。

保険会社への連絡も忘れてはいけません。加害者の場合はもちろんですが,被害者であっても自分の保険会社に連絡を取るようにしましょう。

この作業を怠ると,保険金の請求に困難が生じる場合がありますので,気をつけましょう。

保険会社の連絡先は,通常,任意保険の保険証券などに記載されています。いざというときのために,普段から保険証券の保管場所を確認しておくこと,事故発生時の保険会社の連絡先がわかるようにしておくことが大切です。

保険会社との契約内容によって,無料での事故現場からの車のレッカー移動,修理工場の紹介しなどの様々なサービスがあります。

証拠収集

自分でも記録を残す。

事故直後の車の状態,路面の状況などは,自分でも写真やメモなどで記録を残しておくようにしましょう。ドライブレコーダーがある場合は確実に保存するように気をつけましょう。事故状況を確実に立証することに繋がります。これは被害者になった場合でも,加害者になった場合でも同様です。

交通事故は,加害者が一方的にすべて悪いという場合だけでなく,被害者にも一定の不注意,過失がある場合も多く,後に過失相殺が問題となることが非常に多いからです。

過失相殺では,事故時の衝突の位置関係,車の傷の状況,交通規制などの道路状況,路面のブレーキ痕,当事者の言い分などをもとに,損害を負担する割合を決めます。

警察に任せるのが一番とも考えられますが,警察の捜査は,刑事責任を判断するために必要な範囲でしか行われず,すべてが証拠化される訳ではありません。民事責任(損害賠償)を判断するための証拠収集とは目的も範囲も異なりますので注意が必要です。一般的には,事故が物損事故か人身事故かによっても,警察が証拠化して記録に残すものが異なります。

自らもメモをとったり,写真を撮ったりして,事故現場の状況や車の損傷(キズ)状況などを証拠化しておくことが重要です。

目撃者を確保する。

過失相殺が問題になる場合には,客観的な記録があまり残っていなかったり,当事者の言い分に大きな食い違いがあったり,どちらの言い分が正しいのか判然としないことも少なくありません。 そのような場合には,目撃者の証言が非常に重要な証拠になる場合があります。

交通事故を目撃している人がいないか,通行人,近隣店舗の店員など,目撃者がいれば,後からでも連絡がとれるように氏名・連絡先等を聞いておくことが重要です。

早期の病院の受診

事故後に体の異常を感じたらできるだけ早く病院に行きましょう。

交通事故に遭った直後は大したことはないと思っていても,実は,脳出血があった,骨折していた,靱帯を損傷していたという場合もあります。放っておくと思わぬ大事に至ることもありますので,体に異常を感じた場合は,医師の診察を受けるようにしましょう。

また,仕事・学校などですぐに病院に行けない場合もあると思います。しかし,治療の開始が遅れると,「その怪我は交通事故から生じたのか」ということで,事故との因果関係が争われる場合があります。

体に異常を感じた場合は,無理をせず,できるだけ早く医師の診察を受けるようにしましょう。

誰にでも起こりうる交通事故

交通事故は,残念ながら誰にでも起こりうることです。

交通事故の被害にあって相談に来られる方のほとんどが,「まさか自分が交通事故に遭うとは思わなかった」という感想を持たれています。

備えあれば憂いなしとはいいますが,交通事故に遭ったときの対応を日頃から準備している方は少ないと思います。事故の時には誰もがパニックになってしまいますが,この機会に事故時に必要な対応を少しでも知っていただけると幸いです。

本コラムは平成29年3月21日に執筆されたものです。記載内容につきましてはその時点の情報をもとに作成されております。また、内容に関しましては、万全を期しておりますが、内容全てを保証するものではありませんのでご了承ください。

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