遺留分侵害額請求

遺留分とは

遺留分とは,相続の際に,兄弟姉妹以外の相続人が、被相続人の遺産に対して主張することができる権利のことをいいます。

人は自らの財産を誰にどのように譲るかを自由に決めることができ,その意思を遺言という形で遺すことができます。もっとも,自由に遺言がなされる結果,その人とともに生活し,その財産の形成に貢献した配偶者や子などが,全く遺産を受け取ることができないという事態が生じることもあります。

そこで民法は,遺言や贈与等がなされた場合でも,最低限の権利として,配偶者や子,親等に,相続財産について遺留分という権利を認めています。

遺留分に関する相続法改正の概要

これまで、遺留分を侵害された者は、遺留分を侵害している者に対して、遺留分減殺請求を行っていました。しかし,その結果,不動産などの相続財産が、相続人の共有となって,相続人間の紛争が残ってしまうことも多々ありました。

そこで,相続法が改正され,令和元年7月1日以降に発生した相続について,遺留分を侵害された者は,遺留分を侵害した者に対して、侵害された額に相当する金銭を請求できることとなりました(遺留分侵害額請求)。

これにより,遺留分については,不動産や株式等の共有といった問題は生じず,全て金銭での解決を図ることができるようになりました。

また,従来は,被相続人が,生前,相続人に対して行った贈与については,期間の制限なく全て遺留分減殺請求の対象になる財産とされていましたが,今回の改正により,相続人以外の者に対する生前贈与については,相続開始前の1年間にされたものに限定されるとともに,相続人に対する生前贈与についても,相続開始前の10年間にされたものに限定されました。

遺留分を請求できるのは誰で,どのような割合で認められるか

遺留分は,兄弟姉妹以外の相続人に認められます(民法1042条)。

まず,配偶者は,常に相続人となりますので(民法890条)、配偶者には遺留分があります。

次に,配偶者以外の法定相続人としては,まず子がいる場合は子が相続人となりますので(民法887条),子にも遺留分が認められます。

もし子がいない場合には,直系尊属が相続人となりますので(民法889条)、この場合には直系尊属に遺留分が認められることになります。父母が存命の場合には,その父母が直系尊属として,遺留分が認められますが,父母が既に死亡しているような場合には直系尊属として祖父母が相続人となり,遺留分が認められることになります。

遺留分は原則として,自己の法定相続分の2分の1相当額とされていますが、遺留分権利者が直系尊属のみの場合には,法定相続分の3分の1ということになります(民法1042条)。

例えば,上図のように,父が遺言で全部の財産(1200万円)を子の1人のみに贈与したような場合,母は法定相続分である2分の1の2分の1である4分の1に相当する額(300万円),贈与を受けなかった子はそれぞれ法定相続分6分の1の2分の1である12分の1に相当する額(100万円)を,相続財産を全てもらった子に対して請求することができることになります。

遺留分侵害額請求権の時効

遺留分侵害額請求権は,遺留分権利者が、相続が開始したことと,遺言などにより自己の遺留分が侵害されていることを知ったときから,1年で時効となって,請求できなくなります(民法1048条)。また,相続の開始や遺留分が侵害されていることを知らなくても,相続開始の時から10年で時効にかかります。

ですから,自己の遺留分が侵害されていることがわかったら,まずは速やかに,遺留分を侵害している者に対して,内容証明郵便などにより遺留分侵害額請求をする旨の意思表示(具体的な金額の請求までは不要)をすることが必要です。1年以内に意思表示をすることのみで足り,1年以内に調停,訴訟まではしなくても構いません。しかし,この意思表示から,10年以内に,調停,訴訟等を行うことが必要になります。

遺留分を侵害している者に対し,任意に侵害額を払ってもらおうと交渉などをしていたとしても時効を止めることはできず,1年が過ぎてしまうと時効を主張される可能性がありますので,注意が必要です。

遺留分侵害額請求に応じない場合,どうするか

任意の交渉で相手方が遺留分侵害額請求に応じない場合には,裁判所を利用した手続をとることが考えられますが,遺留分に関わる事項については調停前置主義が採用されていますので,まずは,家庭裁判所に遺留分侵害額請求の調停の申立てを行う必要があります。

調停とは,裁判官1名と調停委員2名が,当事者双方の間に入って,合意を目指す手続きです。

当事者双方の話を聞いた上で,裁判所が調停案を作成し,当事者双方ともにこれに納得した場合には,調停が成立し,紛争は解決ということになります。

調停案に納得がいかない場合には,訴訟を提起し,最終的には裁判官による判決という形で解決することになります。

解決までのイメージ

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